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「有給休暇の取得義務化」企業の反応は?

こんにちは、浜野です。4月に施行された有給休暇の取得義務化について見ていきましょう。
4月1日から、10日以上の有給休暇が付与されるすべての労働者に対して「年5日の有給休暇の取得義務化」が始まりました。エン・ジャパン株式会社は、同社の人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」上で、2月から3月にかけて、「有給休暇の取得義務化」についてアンケート調査を行いました。その概要は以下のとおりです。

◆有給休暇の取得義務化の認知度は9割以上。4社に1社が義務化に否定的
有給休暇の取得義務化の認知度を伺うと、96%が「知っている」(内容も含めて知っている:63%、概要を知っている:33%)と回答しました。
有給休暇の取得義務化についての印象を伺うと、「良いと思う」が73%(非常に良いと思う:23%、まあ良いと思う:50%)、「良くないと思う」が26%(あまり良いと思わない:21%、良くないと思う:5%)と、4社に1社が否定的に感じていることがわかりました。

◆7割が「有給休暇の取得を促進している」と回答。業種は「金融」「商社」「IT」。一方、促進していないのは「広告」「流通」「不動産」。
「現在、有給取得を促進していますか?」と伺うと、「促進している」が70%でした。取得を促進している業種トップ3は「金融・コンサル関連」(100%)、「商社」(79%)、「IT・情報処理・インターネット関連」(77%)でした。一方、取得を促進していないのは「広告・出版・マスコミ関連」(36%)、「流通・小売関連」(34%)、「不動産・建設関連」(27%)でした。また、企業規模別では他に比べ、「100~299名」(28%)が目立ちました。
有給取得を促進する理由を伺うと、「社員の満足度向上のため」(67%)が最多。「有給取得の義務化の法に準拠するため」(42%)は第3位でした。

◆有給休暇の取得義務化への課題は、「人手不足」「業務の偏り」
有給の取得義務化にあたり、難しい点や課題を伺うと、「人員不足」(65%)、「業務量が人に偏っている」(60%)が多く回答されました。人手不足や業務過多の状況にある企業は、義務化への対応を不安視しているようです。
また「有給休暇の取得義務化に、どう対応しますか?」と伺うと、多くが「有給休暇の計画的取得」(83%)、「有給休暇取得のための周知・啓発」(81%)と回答しました。

会社によっては人員に余裕がなく、もともと有給休暇を取りづらい場合があるでしょう。今回の有給休暇の取得義務化は画期的ですが、そのためにサービス残業や仕事の持ち帰りが増えては意味がありません。会社ごとに業務の見直しを行ったり、各人が労働生産性を意識した行動をとったりすることが大事ではないでしょうか。
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助成金の不正受給対策の強化とは

こんにちは、浜野です。今日は雇用関係助成金の不正受給対策強化についてです。

4月1日から改正雇用保険法施行規則が施行されました。今年も例年どおりいくつかの助成金の統廃合が行われていますが、それに加えて不正受給対策の強化が盛り込まれました。内容は以下のとおりです(通達「雇用安定事業の実施等について(平成31年3月29日職発0329第2号・雇均発0329第6号・開発0329第開発0329第58号)」から抜粋)。

◆不支給期間の延長および対象の拡大
(1) 現在、過去3年以内に偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対して雇用関係助成金を支給しないこととしているものを、過去5年以内とする。
(2) 過去5年以内に偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした事業主または事業主団体もしくはその連合団体の役員等(偽りその他不正の行為に関与した者に限る)が、事業主または事業主団体もしくはその連合団体の役員等である場合は、当該事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対しては、雇用関係助成金を支給しない。
(3) 過去5年以内に雇用調整助成金等の支給に関する手続きを代理して行う者(代理人等)または訓練を行った機関(訓練機関)が偽りの届出、報告、証明等を行い事業主または事業主団体もしくはその連合団体が雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとしたことがあり、当該代理人等または訓練機関が雇用関係助成金に関与している場合は、当該雇用関係助成金は、事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対しては、支給しない。

◆返還命令等
(1) 偽りその他不正の行為により雇用調整助成金等の支給を受けた事業主または事業主団体もしくはその連合団体がある場合には、都道府県労働局長は、その者に対して、支給した雇用調整助成金等の全部または一部を返還することを命ずることができ、また、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた雇用関係助成金については、当該返還を命ずる額の2割に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。
(2) (1)の場合において、代理人等または訓練機関が偽りの届出、報告、証明等をしたため雇用関係助成金が支給されたものであるときは、都道府県労働局長は、その代理人等または訓練機関に対し、その支給を受けた者と連帯して、雇用関係助成金の返還または納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができる。

◆事業主名等の公表
都道府県労働局長は、事業主または事業主団体もしくはその連合団体が偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした場合等は、氏名並びに事業所の名称および所在地等を公表することができる。
今後は、より遵法意識に則った対応が必要となりそうです。

障害者雇用をめぐる最近の動き

こんにちは、浜野です。今日は障害者雇用の話です。

◆平成30年4月からの障害者雇用率制度
すべての事業主には、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。この法定雇用率が、平成30年4月1日から次のように変わっています。民間企業2.0%→2.2%。国、地方公共団体等2.3%→2.5%。都道府県等の教育委員会2.2%→2.4%。

◆平成30年12月公表の「平成30年国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」
例年、一般事業主、国、地方公共団体及び独立行政法人等は、6月1日時点の障害者雇用の状況を報告しなければならず、それを受けて12月に厚生労働省から「障害者雇用状況の集計結果」が公表されます。平成30年12月の公表では、「国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」とされ、民間企業についての記述はありませんでした。民間企業については、データ入力のための作業ツールの不具合により、平成31年3月末までに公表する予定とされています。
12月の集計結果によると、行政や司法など国の機関での2018年6月時点の障害者雇用率が1.22%でした。法定雇用率の2.5%を満たすには計算上で約4,300人不足し、8割以上の機関が基準を達成していませんでした。障害者雇用については、国や地方自治体の機関で水増しが相次いで発覚し、各機関が法定雇用率の達成に向け採用を急いでいます。

◆障害者雇用率未達成の省庁は予算減額
民間企業では、障害書雇用率を達成すると、超過人数1人につき月2.7万円の調整金が支給されます。一方、未達成の場合は、不足人数1人につき月5万円の納付金が徴収されます。このペナルティーが民間企業だけにあり、国等の機関にないのは不公平だとの批判が以前からありました。
政府は来年度から、法定雇用率を達成できなかった省庁の予算を減額する方針を決めました。国の機関では不足1人につき、翌年度の予算から60万円を減額します。減額対象の予算項目は備品購入などに充てられる「庁費」とします。

◆障害者手帳のカード化、自治体判断で4月から
厚生労働省は、以前から障害者手帳をカード化する方針を打ち出していましたが、この4月にも省令を改正し、各自治体の判断で障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳をカード化できるようにする方針を決めました。現在の身体障害者手帳は縦11.4センチ、横7.5センチで、「持ち運びしにくく、劣化しやすい」など、障害者などからカード型に変更するよう求める声がありました。カード型の手帳は耐久性のあるプラスチックなどの素材を利用し、運転免許証やクレジットカードと同じ大きさにします。また、カードに氏名や住所、障害の度合いなどを記載します。

「子連れ出勤」の最新動向

こんにちは、浜野です。桜の便りがもう少しで届く季節になりました。今日は子連れ出勤についてです。

◆少子化相、「子連れ出勤」を支援
宮腰光寛少子化相は1月、親が子どもを連れて出勤(「子連れ出勤」)を20年以上前から実施していることで有名な授乳服メーカー、有限会社モーハウスの視察を終えた後、「子連れ出勤」しやすくするための支援策として、コワーキングスペースや授乳施設の設置など先進的な取組みをする自治体に対し、地域少子化対策重点推進交付金の補助率を2分の1から3分の2に引き上げる、と公表しました。

◆第1子出産時、47%が退職
内閣府「「第1子出産前後の女性の継続就業率」の動向関連データ集」によれば、第1子出産後も就業を継続する女性は53.1%(育休利用を含む)、退職する女性は46.9%とのことです。近年は多くの育児支援策が法的に整備されていますが、いまもなお多くの女性従業員は、出産・育児のため離職しています。企業としては、「子連れ出勤」を制度化することで、これら女性従業員の離職防止が期待できます。

◆増えている事業所内保育所
事業所内保育所を設置できる企業においては、「子連れの出勤」はすでに日常的に行われているといえます。ローソン、ヤクルト、みずほFGなど多くの企業が、自社の名を冠した事業所内保育所を運営している時代です。厚生労働省「平成28年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」によれば、事業所内保育所は4,766カ所(平成29年3月時点)あり、件数・入所児童数ともに、わずかずつながら年々増え続けています。

◆「子連れ出勤」制度化の際は
一方で、そのような保育のための設備やスタッフを持たない中小企業において、職場で業務をこなしつつ子どもの面倒もみるのは、容易なことではありません。制度として自社に導入する際には、入念な検討が必要です。
前述のモーハウス社の青山店では、「子連れ出勤」は1歳半までを原則としているそうです(歩きはじめた子どもが店外へ飛び出すのを防止するため)。ほかにも、始業を昼過ぎとする(通勤ラッシュを回避するため)、有事には単身スタッフがフォローできる体制とするなど、さまざまな工夫と配慮がみられます。
「子連れ出勤」の制度化においては、同社のような先進事例が参考になるでしょう。


「働き方改革関連法」実際の認知度は?

こんにちは、浜野です。今日は働き方改革について見ていきましょう。

◆働き方改革関連法の実際の認知度はまだ低い?
本年4月から順次施行される働き方改革関連法の施行に向けて、企業でも対応への取組みを始めているところは多いでしょう。一方で、法律の内容や施行時期を知らないという企業もまだ多いようです。
日本・東京商工会議所が公表した「働き方改革関連法への準備状況等に関する調査」(調査対象:全国の中小企業2,881社、調査期間:2018年10月22日~12月3日)によれば、 法律の内容について「知らない」と回答した企業は、「時間外労働の上限規制」が39.3%、「年次有給休暇の取得義務化」が24.3%、「同一労働同一賃金」が47.8%、「中小企業への月60時間超の割増賃金率の猶予措置廃止」が51.7%、「労働時間等に係る管理簿の作成義務」が53.0%を占めたそうです。

◆50人以外の企業で「同一労働同一賃金」の内容を知らない企業は約6割
その中でも、働き方改革関連法の目玉の1つである「同一労働同一賃金」については、「時間外労働の上限規制」、「年次有給休暇の取得義務化」に比べて認知度は低く、50人以下の企業では、法律の内容や施行時期について「知らない」と回答した企業は約6割を占めたそうです。

◆対応済み企業は半数に満たない
「時間外労働の上限規制」、「年次有給休暇の取得義務化」、「同一労働同一賃金」について、「対応済・対応の目途が付いている」と回答した企業の割合は、いずれも半数に満たないという結果も出ています。「法律の名称・内容を知っている」と回答した企業に限っても、「対応済・対応の目途が付いている」と回答した企業の割合は6割に満たず、特に「同一労働同一賃金」については36%という結果になっています。

◆企業は早めの対応を
「働き方改革」については、ニュースでも盛んに取り上げられているところですが、関連法について対応できていない企業や、そもそも内容を知らないという企業はまだ多いことがわかります。施行日は近づいていきます。取組みを始めてすぐ対応できるわけではありませんので、早めの対応が求められるところです。